今回は総合建設業の株式会社 技工団様にインタビューをさせていただきました。技工団様は1946年創業以来、土木・建築・鉱山事業の3つを柱として、道路工事や施設建設、石灰石採掘の開発などを手掛けていらっしゃいます。今回は建設業界をあまりよく知らない大学生の質問に対し、楽しくわかりやすくレクチャーしていただきました。

土木部・建築部・鉱山部はどこが規模が大きいのでしょうか?

時代とともに移ろっています。当社は1946年の5月に創業し、2021年で75周年を迎えます。創業者は熊本大学の前身である熊本高等工業学校を卒業後、満州に渡り、満洲鉄道の技術者として活躍していました。終戦により、日本に団員500人とともに引き上げてきました。

当時日本は戦争によって各地が焼け野原で、復興が急がれていました。復興に大切な要素の一つとして、物流があります。当社は満州での経験を生かし、最初は鉄道建設から荒廃した国土の再建にあたっていました。鉄道建設で実績を積むなかで、美祢市にある石灰石鉱山への線路工事も行いました。それをきっかけに鉱山の仕事が始まりました。その後いろんなご縁があって、道路を作ったりする一般土木の仕事も行うようになりました。鉄道建設の中には建築も含まれ、駅舎を建てたり、通信や電気、土木も関わります。そのため徐々に鉄道に関わらない建築、土木の仕事も増えていき、いろいろな企業や町と出会いながら仕事が広がっていきました。

25年くらい前から建築の仕事に力を入れ始め、今はやや建築の仕事が多いです。鉱山の仕事などは時代の変化とともに少なくなった部分もありますが、それでも人が足りなくてしょうがないです。

営業部課長 作間太朗様   代表取締役社長 作間悦次様

年度末に道路工事が多くなる印象ですが、実際いかがですか?

そんなことはないですよ。通年で取り組んでいます。でも公共事業の細かい工事が年度末に増えることはあります。小さな工事になると、みなさんの生活に近いところでの作業が増えるので、そのような印象を受けるのかもしれません。

昔は仕事の季節変動が今より大きくて、春は行政や企業などの予算が確定しない関係で仕事が少ない時期がありました。大体9月から増えて、3月が一番忙しかったです。仕事に波があると労働力が余ったり不足したりで困るので、仕事を平準化するためにいろいろルールが変わり、今は昔と比べると通年で仕事があります。

当社全体では民間の仕事が2/3くらいです。土木の仕事は、昔は民間の産業団地造成や埋立などいろいろありましたが、今はほとんどが公共工事ですね。

今までのお仕事で印象に残っているものはありますか?

10年前くらいから8年かけて新しい鉱区の開発をした仕事ですかね。山を切り開いて新しい石灰石をとる鉱区をつくりました。開発工事自体は4年半くらいかかりました。今後1~2億トンを40年くらいかけてとっていく予定です。

あと2018年の西日本豪雨の時も印象に残っています。岩国の豪雨災害で国道2号線が土砂でふさがったのを、15人くらいが1週間、3交代で再開通に臨みました。あの時はみんなの心意気がすごかったです。応援に行ってくれる社員を募ったらたくさん集まってくれて、涙が出るかと思いましたね。

建設業は危ないというイメージを持たれがちですが、実際に働いていらっしゃる方々はどのように感じていらっしゃいますか?

やはり危険はあります。事故があったりすると嫌ですから、危険を回避する対策をしっかりとっています。事故が起こらないようにするのも我々の大切な仕事です。

採用活動は何か変化はありましたか?

オンラインに移行しています。インターンシップなどの機会が減っているので、そのような接触の機会がなくなったのは、企業側も学生側も辛いんじゃないでしょうか。ミスマッチが一番怖いですから、当社ではオンラインや座学だけじゃなくて、現場で作業体験をしていただいたり、社員とのコミュニケーションを中心としています。

建設業界に適している人の傾向などありますか?

業界に関係なく、学生に求めるものはコミュニケーション能力です。事前に調べて、質問して、その答えに対して「はい」だけではない何か言葉を返して、理解を深めていく。そういうことは仕事でも大切ですからね。

営業部課長 兼 経営支援室長 大井正充様

面接ではどのようなところを見ていますか?

先ほども言った通り、コミュニケーション能力と、本当に施工管理がやりたいかどうかです。モノづくりが好きか、お客様や利用者が喜ぶ姿にやりがいを感じられるか。ミスマッチを防ぐのはお互いにとって大切だと思っています。インターンシップや会社説明会では施工管理の厳しさもしっかり伝えています。そのうえでお互いが納得して入社できるかが重要になります。

新入社員に期待することはなんですか?

早く成長して、早く自分を磨いてほしいです。自分の仕事でお客様に喜んでもらえれば、自分が「お役に立つ」という感覚を得られるのではないでしょうか。「お役に立つ」というのは心地よいことだと思います。自分がいてよかったと思えるように、地域、お客様、会社など、みんなのお役にたてるように。それを目指して7年プログラムで教育していきます。3年目の社員が7年待たずにチャレンジ所長をやっていたりもしますが。カリキュラムがあるほうが新しく入ってくる人の安心感につながると考えています。

若手社員育成に力を入れる一方で、69歳で現役バリバリの人もいます。建設業界は他と比べるとここ10年で入職者は増えているようですが、今から減る上の世代のスピードには勝てません。世代差が大きいとなかなか難しいこともありますが、経験豊富なベテラン層と若い方のエネルギーにデジタル技術を取り入れながら仕事を組み立てています。今は過渡期だから、それぞれ得意分野でリーダーとして引っ張っていってもらっていますが、みんなが分野関係なく平等に成長していけるようにしたいです。

2020年度新入社員 西村様 中西様(左から)

転職を考えている方や、学生に対して、今のうちにやっておいたほうがいいことはありますか?

学生は企業や仕事について知ることです。知らないからミスマッチがおきてしまいます。インターンシップなどに参加して、知ること。中途の方には当社を知っていただきたい。他社と比較しての当社のガバナンス・IT環境他雰囲気を体験していただきたいですね。しっかり見たり聞いたりして、企業、仕事を知った上で就職活動をしてほしいです。

今回インタビューを担当したのは山口県立大学4年生

宣伝になりますが、弊社は365日、インターンシップ受け付け中です。期間、内容などはご本人様と面談しながら決めます。集団制ではなく、1対1で行います。「建設業」を知るために当社を利用していただいて構いません。 コロナ禍でなかなか県外でのインターシップも難しいでしょから、山口の真ん中に在る技工団へ!ぜひ。企業や仕事の内容を知ってもらうために、手厚くフォローしたいと思っていますよ。